ソニーPCLが、現在自律型エンタテインメントロボット”aibo”の動きをつくるモーション・クリエイターを募集している。3DCGソフトを使⽤した映像制作経験者、キャラクターアニメーションに興味のある⽅、ゲームシナリオなどのストーリー制作経験者であれば応募可能だ。今回は、ロボットに命を吹き込むという未来を先取りした業務の実体に迫るべくインタビューを行った。

CGアニメーションの経験がロボット制作に活かせる

CGW:aiboの動きを制作するモーションクリエイターという仕事について、具体的にどのような業務内容や役割があるのか教えてください。

ソニーPCL:ロボットであるaiboに命を吹き込むのがモーションクリエイターの仕事です。大きく分けて2つの仕事があり、1つ目は生命感を感じる動きそのものを制作するモーションデザインの仕事(Motion制作)、2つ目はその動きをどのような条件でどういう順番で表出させるかを演出する行動デザインの仕事(Behavior Tree制作)です。その他に、aiboに関連するコンテンツやサービスの企画なども行なっています。



CGW:モーションクリエイターとして必要なスキルは何ですか?

ソニーPCL:モーションデザインについては、アニメーションの基本的な知識が必要です。また、aiboは犬型のロボットなので、身体的構造を理解する上でも犬や猫などの四足歩行の動物に対する知見があると入りやすいです。

行動デザインについては、人とロボットの関係をデザインするために、インタラクティブ・コンテンツの制作経験があると役立つと思います。どちらの仕事もPCの専用アプリケーションを使って作業を行うので、基本的なPCスキルは必要です。一般的な3DCGや映像制作用のアプリケーションが使えれば問題ありません。

また、必要ではありませんが、両方の仕事に共通することとして、ダンスや演劇の創作経験は生かされると思います。狙った表現のために身体をいかに動かすのか、その動きを時間軸の中でどう構成するかを考えることは、モーションクリエイターの仕事と共通する部分が多いように感じます。

CGW:応募資格には、キャラクターアニメーションへの興味やゲームシナリオなどのストーリー制作経験がある方とありますが、これらの要素がモーションクリエイターの仕事にどのように活かされるのか教えてください。

ソニーPCL動きでキャラクターの性格や感情を生き生きと表現するキャラクターアニメーションは、言葉を話さないaiboに生命感を吹き込むモーションデザインと共通点が多く、キャラクターアニメーションに対する深い知見や経験は必ず役立つと思います。



また、aiboは家庭でオーナーと共に生活するエンタテインメントロボットなので、aiboのふるまいがどのようなユーザー体験を提供できるのかを考えるためには、aiboとオーナーによる体験のストーリーを頭の中で描くことがとても大切なんです。

CGW:CGアニメーターやストーリー制作者とモーションクリエイターの仕事は、どのような点で似ていて、どのような点で異なっていますか?

ソニーPCL: ”人に感動を届ける”という点は共通していると思います。そのために細部までこだわって表現を突き詰めるのがモーションクリエイターの役目です。異なっている点は、aiboは映像とは違い”リアルに存在するもの”だということです。重さがあり触れることができるaiboの表現を作る時は、最終的に必ず実機を確認します。生活空間の中でのaiboの存在感は実際に体感しないと分かりません。実体があることによる制約もありますが、この”リアルに存在するものの表現をつくる”という点が一番の違いであり面白さだと思います。自分が思い描いた通りに動くロボットを見る体験は感動的ですよ!

また、他に違う点としては、aiboは自律型ロボットとしてAIを使って自ら判断し行動するので、ユーザー体験も人それぞれという点が挙げられます。それぞれの異なる環境でオーナーとaiboが経験や思いを蓄積し、独自のストーリーを紡いでいくことになるので、特定のエンディングに向かって進行するストーリーをつくるのとは違い、さまざまシーンを思い描いて体験の可能性を広げていくような仕事だと思います。



未来への好奇心と粘り強さが重要

CGW:モーションクリエイターとして活躍できる人の特徴は何だと思いますか?スキルや経験だけでなく、性格や価値観なども含めて教えてください。

ソニーPCL:まずは、AIやロボティクスが生み出す新しい体験に興味がある人。未来への好奇心、新しい分野にチャレンジしたい気持ちを持っている人はきっとこの仕事を好きになってもらえると思います。また、ロボット開発はクリエイターだけでなく、エンジニアをはじめ様々なメンバーと一緒に仕事をするため、互いに理解し合いながらチームでものづくりができる人は活躍できると思います。

あとは、粘り強い人ですね。画面上では上手くいっても実機ではその通りに動かないということもあるので、最善の表現を生み出すために創意工夫しながら粘り強く仕事と向き合える人は、ロボットならではのクリエイションの楽しさを味わっていただけると思います。



CGW:ソニーPCLのモーションクリエイターは、どのようなやりがいや楽しみを感じていますか?

ソニーPCL:ロボットの中でも産業用ではなく、家庭の中で人と暮らす自律型エンタテインメントロボットは、世界的に見てもまだまだ希有な存在です。そのようなプロダクトの開発にクリエイターとして関われる機会は中々ないと思います。だから、その機会に巡り合えたことを大切に思えるし、未来を創造しているという実感がやりがいにつながっていると思います。

また、aiboはオーナーと共に育っていくという考えから、開発者とオーナーの距離がとても近いのが、このプロジェクトの特徴です。実際に、オーナーからいただいたリクエストが開発に反映されているんですよ。なので、イベントやSNSを通じてaiboを大切にしていただいているオーナーの皆さまのaiboに対する愛情に触れると、私たちもとても嬉しく幸せを感じています。

CGW:ソニーPCLのモーションクリエイターに興味のある求職者の方に向けて、メッセージやアドバイスをお願いします。

ソニーPCL:ほとんどの方が未経験の新たな世界だと思うのですが、少しでも興味がありましたら是非応募してみてください。一緒に未来にワクワクしましょう!職場はソニーグループ本社内のロボットを開発している部署になります。クリエイティブチームは男女比も同じくらいです。分からないことはなんでも面接時に質問してください。みなさんとお会いできるのを楽しみにしています!

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